便秘とアロエの歴史!?

便秘とアロエの歴史

アレキサンダー大王の遠征は便秘が原因?

BC352年、ペルシャ、インドに遠征の途中であったアレキサンダー大王は、アラビアの南部、アフリカ沿岸の東、約800kmのソコトラ島に偵察隊を派遣しました。

洋上に浮かぶこのちっぽけな島、金の鉱脈があるわけではないし、美女がたくさんいるわけでもない、これといって目立たない島です。しかし、偵察隊を派遣するアレキサンダーの心のうちには、ぜひともこの島を征服したいという思いがたぎっていました。

便秘実は、彼をここまで駆り立てたのは、島に群生しているアロエだったのです。

アロエは、ほとんどの人が一度や二度はご覧なったことがあるものと思います。黄緑色のあの葉の分厚い植物です。このアロエは古来より薬草として知られています。

1972年にドイツのエジプト学者、ゲオルグ・モリッツ・グーベルスによって発見され、彼の名をとって「グーベルス・パピルス」と呼ばれている古代エジプトの医学論文にも、18種類の植物性薬品の利用法の一つとして、アロエが記載されています。

アロエは二千以上の異なった種をもち、すべて厚い葉を有する多肉植物です。この植物には茎のないものもありますが、3~6cmもある茎をもつものもあります。

すべて30~40枚の厚い葉がロゼット状(根出葉が重なりあった円座状)になり、元から先端にかけてついています。葉の厚さは平均すると5~7.5cmmほどで、とくに太っている基部では9cmにも達するものもあります。

葉には実にたくさんの鋭いトゲがありますが、なかには、このトゲで、家畜に噛まれないように身を守っているのだと指摘する人もいます。黄色か赤い花をつけますが、最近ではその美しさから観賞用の植物としても人気の高いものがあります。

アロエの多くは地中海沿いのアラビア沿岸に自生していました。ちなみに、アロエとはラテン語で、ある土地名の「アロッホ」という呼び名から出たというのが一般的な説です。

実はこのアロエ、はるか昔から、便秘の特効薬として珍重されていました。いわば世界で最古の便秘薬といったところでしょう。

あの厚い葉からでる強烈に苦い汁には、アロインという活性成分が含まれており、これが下剤として抜群の効果があるのです。「エーベルス・パピルス」が書かれたのは、BC1552年頃と推定されていますが、それよりもはるか以前から、アロエの効果はエジプトや地中海沿岸に住む人たちに知られていたのです。

ここで出てくるのが、マケドニアの若き英雄アレキサンダー大王です。彼は冒頭で述べたように、ソコトラ島にアロエを求めて偵察隊を派遣しました。実はこの調査を大王に勧めたのは、アリストテレスでした。

アリストテレスはまた、「調査よりも軍隊を出動させて、征服してしまいなさい」と進言したとも伝えられています。ともかく、若き大王はこの進言にしたがって偵察隊を送りました。それにしても、陸から800kmも離れた島に、わざわざ偵察隊を出すというのは、よほど、島のアロエが欲しかったのだと思われます。

あの颯爽とした勇姿からは想像もできませんが、アレキサンダー大王がそれほどまでにして、下剤としてのアロエを欲しがったというのは、案外、彼は便秘で苦しんでいたのかもしれません。それとも、便秘だったのは師のアリストテレスだったのでしょうか。トイレで気張るアリストテレスというのも、いま一つ合わないような気がしますが……。

それにしても、アロエの効果が広く知られていたということは、裏を返せば、それだけ便秘に悩む人が多かったともいえます。

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