血液が酸性に傾くのを防ぎ、メラニンを減らす
”シミ”は、それを取り去るにも、また予防するにも、基本は一つ「皮膚表面の古い角質片を取って新生細胞をどんどんつくり、それによって角質代謝のエスカレーターの速度を適正に戻す」ことにあります。
こうして古い角質片を毎日取り去っていれば、新細胞をつくる命令を出すDNAが、怪我をしたあとのような急激なかたちではなく、正常なケラチニゼーショソの周期にしたがってコソスタントに新細胞をつくるべく、うまく働いてくれて、シミも治り、見た目にも美しい肌に戻ることができます。
と同時に、日常的に、以下のようなことに配慮するようにすれば、シミに関する悩みはかなり解消するはずです。
その第一は、メラニンが着色しないよう、ゐ血液が酸性になるのを避けることです。それには、何度もふれていますように、
- 肉体的・精神的疲労を最小限にとどめる
- 血液を酸性にする食べものをなるべく減らす
- 早くシミを取ろうとして肌に過分な刺敦を与えない
以上の三点が肝要です。
とくに、3.の注意はたいせつです。シミを治そうとして、角質層をタオルやブラシでゴシゴシとこする人がいますが、これではかえって肌によけいな刺激を与えることになり、肌は疲労して、血液が酸性に傾き、メラニンはますます着色を急いでしまうものです。
「過ぎたるは及ばざるがごとし」ケラチニゼーショソは あせらずゆっくりと正常に戻していくようにしたいものです。
第二は、「メラニンの絶対量を減らすようにすること」。そうすれば、シミも、必然的に出にくくなります。それには、二つの方法があります。まず、
- 皮膚の熱を下げること
チロジソとチロジナーゼがメラニンをつくるに際しては、鉄イオン・銅イオン・熱、の三つが必要です。逆にいえば、そのうちの一つでも欠ければ、メラニンはつくられないということになります。そこで、私たちの努力しだいでもっとも簡単に消滅させることができるものといえば”熱”となりますから、要は、シミのできている肌の温度を下げてやればよいわけです。下げる方法は簡単です。たとえば”顔”なら、毎晩、二~三時間かけてゆっくりと蒸発させてくれる乾きにくい化粧水を使います。蒸発の際の吸熱作用(気化熱)で、肌は長時間、冷えた状態でいられます。また、冬でも部屋の温度を高くしすぎない、ストーブの近くに寄りすぎない、台所でも火の熱をまともに受けすぎない・・・などの配慮も効果があるものです。 - 油性化粧品や油性クリーム輝の常用を避けること
油性化粧品を常用(多用)しているとケラチニゼーショソの速度が遅れますから、その分メラニンがたまりやすくなり、したがってシミも長く居坐りつづけるということになります。また、皮膚の温度を上げることはあっても、冷やすことにはなりません。その他、美容療法とかと称して蜂蜜を塗ったり、海水浴のあとでも顔を拭かずに、粘度の高い塩水をつけたままだったりした場合にも同様ですから、注意してください。これらには、皮膚の、紫外線の吸収率を高めてしまう作用があるのです。
シミが消えたあとも最低一年間は紫外線から遠ざかる
さて、こうして”シミ”が治ったら、その後はどんなことに注意すればよいのでしょうか?
少なくとも、放ったらかしではいけません。やはり、順調なケラチニゼーショソのもとに古い角質片を取り除く手入れをつづけ、最低でも一年間は、日光にあたる率を少なくするよう努力することです。それが二~三年つづくなら、なおよいでしょう。もちろん、海水浴やハイキソグ、キャンプなどはタブー。我慢が肝心、です。
ところで、シミが治ったあとに、再びシミができたり、前よりも濃くなるというケースも現実には少なくありません。
これは、メラノサイト細胞のなかに少しメラニンが残っていると、以後、メラニンの生産は以前より活発になる性質があるため、あるいは、かつてシミのあった人は、皮膚に、メラニンをつくり、着色するという機能が記憶されている可能性が強いために起こるものです。
ですから、一度シミのできた人には、それだけの注意が肝要となります。